ネコと倫理学

カント道徳哲学/動物倫理学/教育倫理学/ボランティアの倫理学/ネコと人間の倫理的関わりについて記事を書いています。

動物の権利

【第2回】21世紀の道徳|差別とは「不合理な区別」である【動物倫理学】

21世紀の道徳 作者:ベンジャミン・クリッツァー 晶文社 Amazon 本記事【第1回】で、「動物倫理学」を学習する上での第一歩は、「種差別」(speciesism)という概念を理解することであるという考えを示した。そしてシンガーの議論を基に、「種差別」の基本的な…

【第2回】ネコの路上死|路上死を防ぐ2つの方法【地域猫活動】

ネコの路上死について、前回は以下のような記事を書いた。 【参考:過去記事】 chine-mori.hatenablog.jp 今回は、後半部分である。 [内容] 【第1回】沖縄県の現状 【第2回】路上死を防ぐ2つの方法 ■路上死を防ぐ2つの方法 ネコの路上死を防ぐために、次の…

【第1回】ネコの路上死|沖縄県の現状【地域猫活動】

先日、通勤中に、ネコの路上死を目撃した。目撃する度に思うのであるが、もしかしたら、落とすべきでない命を救えたはずだ、と心を痛め、自らの無力さを感じる。 仕事から家に帰る途中、走ってくる車を避けながら道を横切るネコを見ると、「死ぬな」と心の中…

【第4回】人間以外の動物への倫理的配慮の基準は「苦痛」だけでは不十分である|まとめ【動物倫理学】

【前回の記事】 chine-mori.hatenablog.jp 4.まとめ 以上、今回はピーター・シンガーとベンサムの「功利主義」を中心に、人間以外の動物への倫理的配慮の基準となる「苦痛」についての主張を整理した。 その後、久保田さゆりの主張を参考にしながら、「苦痛」…

【第3回】人間以外の動物への倫理的配慮の基準は「苦痛」だけでは不十分である|久保田さゆりの議論【動物倫理学】

【前回の記事】 chine-mori.hatenablog.jp 3.動物の「豊かな内面」への理解ー久保田さゆりの議論 久保田さゆりもピーター・シンガーの考え方にも、基本的には賛成である。その理由として、久保田は次の2点を挙げている。 第1に、痛みはその倫理的な重要性の否…

【第2回】人間以外の動物への倫理的配慮の基準は「苦痛」だけでは不十分である|シンガーの議論【動物倫理学】

【前回の記事】 chine-mori.hatenablog.jp 2.「苦痛」という感覚が唯一の判断基準ーピーター・シンガーの議論 シンガーは、その著書『動物の解放』で次のように述べる。 もしある当事者が苦しむならば、その苦しみを考慮に入れることを拒否することは、道徳的に正…

【第1回】人間以外の動物への倫理的配慮の基準は「苦痛」だけでは不十分である|動物への倫理的配慮基準の新たな視点【動物倫理学】

動物の解放 改訂版 作者:ピーター シンガー 人文書院 Amazon 1.人間以外の動物への倫理的配慮基準の新たな視点 沖縄県では、「一生うちの子プロジェクト」という取り組みを実施している。この取り組みの目標は、県内での捨て犬や捨て猫をゼロにすることであ…

【第1回】伝統か差別か|オランダの「クリスマス」と沖縄県の「闘鶏」【動物倫理学】

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 人間であっても、人間以外の動物であっても、「伝統」や「文化」という固有の価値観に基づいて、人間やその他の動物を差別的に扱うケースがある。このような行為によって、地域や特定の集団の「文化的…

【地域猫活動】TNRに行ってきた(2019年7月6日)

2019年7月6日に、TNR活動に参加。その模様を、写真と共に紹介する。 とある県の、とある島。古い集落が、今も残るのどかな田園地帯。(遺棄する恐れがあるので場所は伏せる) 早く集合場所に着いてしまったので、しばらく周囲を散策。 ヤギを発見。夕方近く、…