はじめに
今回から27回にわたり、入不二基義編『英語で読む哲学』をテキストにマイケル・サンデル”Justice:What's the right things to do ?”(邦題『これからの「正義」の話をしよう』)の訳出に挑戦する。
最初に原文を記し、次に単語の意味や文法解説と私訳を提示する。そして、本書の翻訳を該当箇所から引用する。その後、私訳と本書の訳を比較した私見を述べる。
[内容]
■原文
■単語と文法事項の確認
■私訳
■本書の訳
■私訳と本書の訳の比較
■原文
In the summer in 2004, Hurricane Charley rolled out of the Gulf of Mexico and swept across Florida to the Atlantic Ocean. The storm claimed twenty-two lives and caused $11 billion in damage.It also left in its wake a debate about price gauging.
■単語と文法事項の確認
・rolle :発生する
・sweep:通過する
・out of A across B to C:ハリケーンの猛威の説明。本書によれば、発生地点、経由地そして到達地点を示す。
・claim:命を奪う
・in the wake of A:Aの結果として。 本文での”in its wake"のitsはthe stormを示す。
・price gaugin::法外な値で売ること
■私訳
2004年夏に、ハリケーン・チャーリーはメキシコ湾で発生しそしてフロリダを横切り大西洋を通過した。その嵐は22人の命を奪い110億ドルの被害を引き起こした。その結果として法外な値で売ることについて論争が生じた。
■本書の訳
2004年の夏、ハリケーン・チャーリーはメキシコ湾で発生し、フロリダを横切って大西洋に抜けるまで猛威を振るった。嵐は22人の命を奪い,被害総額は110億ドルにのぼった。その爪痕から便乗値上げをめぐるある論争が生じたのだった。(p.5)
■私訳と本書の訳の比較
直訳に近い形で私は訳出した一方、”price gauging”を「便乗値上げ」と訳すなど、本書の北野安寿子訳の方は読者が理解しやすいよう工夫されている。また、サンデルが目の前で語っているかのような臨場感を演出した訳出をしていることに気が付いた。
私の場合、あまりこなれた訳し方より、辞書や文法事項に則した形で訳出するよう心掛ける。【続く】
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【参考文献】
【参考記事】