ネコと倫理学

カント道徳哲学/動物倫理学/教育倫理学/ボランティアの倫理学/ネコと人間の倫理的関わりについて記事を書いています。

【私訳#2】Justice:What's the right things to do ?- 『英語で読む哲学』より

 

はじめに

 入不二基義編『英語で読む哲学』をテキストにマイケル・サンデル”Justice:What's the right things to do ?”(邦題『これからの「正義」の話をしよう』)の訳出に、引き続き挑戦する。今回は第2回である。

 

【前回の記事】

chine-mori.hatenablog.jp

 

 前回と同じように、最初に原文を記し、次に単語の意味や文法解説と私訳を提示する。そして、本書の翻訳を該当箇所から引用する。その後、私訳と本書の訳を比較した私見を述べる。

 

[内容]

■原文

■単語と文法事項の確認

■私訳

■本書の訳

■私訳と本書の訳の比較

 

■原文

 At the gas station in Orlando, they were selling two -dollar bags of ice for ten dollars. Lacking power for refrigerators or airconditioning in the middle of August, many people had little choice but to pay up. Downed trees heightened demand for chain saws and roof repairs. Contractors offered to clear two trees off a homeowner's roof – for $23,000.Stores that normally sold small household generators for $250 were now asking $2,000. A seventy-seven-year- old woman fleeing the hurricane with her elderly husband and handicapped daughter was charged $160 per night for a motel room that normally goes for $40. 

 

■単語と文法事項の確認

・power:電力 

・pay up:(しぶしぶ)支払う 

・contractor:工務店 

・offer:申し出る 

・household generator:家庭用発電機

・ask:要求する 

・flee:逃げる 

・charge:請求する 

 

■私訳

 オーランドのガソリンスタンドで、1袋2ドルで氷が10ドルで売られていた。8月の半ばに電力がなくて冷蔵庫やエアコンが使えなくなったので、渋々支払うしかなかった。倒れた木々によってチェーンソーや屋根の修理の需要が高まった。工務店は23,000ドルで家主の屋根から2本の木を取り除くと申し出た。普段は小型の家庭用発電機を250ドルで売っている店が2,000ドルを要求した。高齢の夫と障害を持つ娘と共にハリケーンから逃げてきた77歳の老婦人は普段40ドルのモーテルに一晩160ドル請求された。 

 

■本書の訳

 オーランドのあるガソリンスタンドでは、一袋2ドルの氷が10ドルで売られた。8月の半ばに電気が止まって冷蔵庫やエアコンが使えなかったため、多くの人はしぶしぶ10ドル支払うよりほかなかった。木々が吹き倒されたので、チェーンソーや屋根修理の需要が増加した。お宅の屋根から木を二本取り除く作業ですね、やりますよ-2万3千ドルで-と土建業者は言ってきた。普段は家庭用小型発電機を250ドルで売っている店が、今では2千ドルを要求した。いつもなら一晩40ドルのモーテルが、老齢の夫と障害者の娘を連れて避難した77歳の婦人に160ドルを請求した。(p.6)

 

 

■私訳と本書の訳の比較

 若干の表現の違いはあるが、訳出の主な路線は同じである。まだ導入部分なので、この段階でサンデルが何を主張したいのか明確ではない。今後の展開を期待しながら、読み進めていくしかない。【続く】

 

【次の記事】

chine-mori.hatenablog.jp

 

【参考文献】