2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧
正義論 作者:ジョン・ロールズ 紀伊國屋書店 Amazon 前回の記事で、オニールの解釈に従って、「定言命法」と「3つの格率」について検討を行った。その結果、次の疑問が提起された。 ・「他のあらゆる立場」に立って考えられる「他者」とは一体誰か。 ・「拡張…
理性の構成: カント実践哲学の探究 (叢書・ウニベルシタス) 作者:オニール,オノラ 法政大学出版局 Amazon 前回の記事で、『判断力批判』に即して「3つの格率」を検討した。『判断力批判』の「3つの格率」とは、以下の「格率」である。 ①偏見に囚われない考え…
判断力批判 上 新装版 作者:イマヌエル カント 以文社 Amazon 前回の記事「ボランティア活動の倫理学」では、筆者は「定言命法」に関する解釈を提示した。以下がその内容である。 「定言命法」でのポイントは、「格率」が自己矛盾を犯さないかどうかという「…
道徳形而上学の基礎づけ [新装版] 作者:イマヌエル カント 以文社 Amazon 前回の記事で、次の2点を確認した。 ・ボランティア活動は「他人に対する不完全義務」である。 ・ボランティア活動は「活動の余地」を持つ。 【前回の記事】 chine-mori.hatenablog.jp …
道徳形而上学の基礎づけ [新装版] 作者:イマヌエル カント 以文社 Amazon 前回の記事で、厚生労働省を基にボランティア活動を定義し、近藤良樹のボランティア活動の特徴について検討した。 【前回の記事】 chine-mori.hatenablog.jp ボランティア活動につい…
【写真】某所での地域猫活動の様子 これまで本ブログで「動物倫理学」の考察に加え、保護猫/地域猫活動を通して猫とわれわれ人間の倫理的関わりについて発信してきた。 【参考:過去記事】 chine-mori.hatenablog.jp 一方、保護猫/地域猫活動など地域活動を…
21世紀の道徳 作者:ベンジャミン・クリッツァー 晶文社 Amazon 本記事【第1回】で、「動物倫理学」を学習する上での第一歩は、「種差別」(speciesism)という概念を理解することであるという考えを示した。そしてシンガーの議論を基に、「種差別」の基本的な…
21世紀の道徳 作者:ベンジャミン・クリッツァー 晶文社 Amazon 「動物倫理学」を学習する上での第一歩は、「種差別」(speciesism)という概念を理解することにある。「種差別」という言葉は心理学者リチャード・ライダーが初めて使用し、ピーター・シンガーが…