ネコと倫理学

カント道徳哲学/動物倫理学/教育倫理学/ボランティアの倫理学/ネコと人間の倫理的関わりについて記事を書いています。

【私訳#10】Justice:What's the right things to do ?- 『英語で読む哲学』より

 

 

はじめに

 入不二基義編『英語で読む哲学』をテキストに、マイケル・サンデル”Justice:What's the right things to do ?”(邦題『これからの「正義」の話をしよう』)を訳出する。今回は第10回である。

 

【前回の記事】

chine-mori.hatenablog.jp

 

 最初に原文を記し、次に単語の意味や文法解説と私訳を提示する。そして、本書の翻訳を該当箇所から引用する。その後、私訳と本書の訳を比較した私見を述べる。

 

[内容]

■原文

■単語と文法事項の確認

■私訳

■本書の訳

■私訳と本書の訳の比較

 

■原文

 The debate about price gouging that arose in the aftermath of Hurricane Charley raise hard question of morality and laws:Is it wrong for sellers of goods and services to take advantages of a natural disaster by charging whatever the market will bear? If so, what, if anything ,should the law do  about it? Should the state prohibit price gouging, even if doing so interfers with the freedom of buyers and sellers to make whatever deals they choose? 

 

■単語と文法事項の確認

・arise:生じる 

・in the aftermath of A:Aの直後に 

・bear:支える・持つ 

・prohibit:禁止する 

・interfers:干渉する 

・deals:取引 

 

■私訳

 ハリケーン・チャーリ-の直後に起こった法外値上げについての議論は法と道徳の難問を次のように提起する。市場が何を請求するによってしても自然災害を利用することは商品やサービスの売り手にとって不正なことであるのか。もしそうであれば、法に何かすべきことはあるのか。たとえ彼らの選択で取引する買い手と売り手の自由に介入することになっても、州は法外値上げを禁止すべきなのだろうか。 

 

■本書の訳

 ハリケーン・チャーリー通過後に巻き起った便乗値上げをめぐる論争は、道徳と法律に関する次のような難問を提起している。商品やサービスの売り手が市場価格を請求して自然災害を利用するのは不正なのだろうか。だとすれば、法律に何かすべきことがあるとして、何をすべきだろうか。たとえそれが自らの選択で取引する買い手と売り手の自由に介入することになっても、州は便乗値上げを禁止すべきなのだろうか。 (p.13)

 

■私訳と本書の訳の比較

 私訳と本書の訳に、大幅なズレはないだろう。今回の段落では、「自然災害」などを理由に「市場価格を請求」することは不正かという問題提起を行っている。その際、政府介入の有無や「便乗値上げを禁止」すべきかどうかについて言及している。【続く】

 

【次の記事】

chine-mori.hatenablog.jp

 

【参考文献】