1.はじめに
平成30年度告示『高等学校学習指導要領解説 総則編』にもあるように、わが国は挑戦の時代を迎えている。
【参考: 『高等学校学習指導要領解説 総則編』(平成30年度告示)】
様々な社会変化があるが、特に身近な働きがインターネット経由で最適化され「IoT」 など「Society5.0」の到来が社会や生活を大きく変えていくと予測される。
【参考:Society5.0】
政府広報「Society5.0」(「ドローンの株式会社ダイヤサービスDAIYASERVICE Inc.」より)
このような社会背景の中で、小学校や中学校はもちろん平成30年度告示『高等学校学習指導要領』でも、「主体的・対話的で深い学び」の授業実践が求められている。
【参考: 『高等学校学習指導要領』(平成30年度告示) 】
そこで、特に高等学校での道徳教育を念頭に置き平成30年度告示『高等学校学習指導要領』での目玉である「主体的・対話的で深い学び」を、カント的に捉え直すことが本稿の目的である。
手順として始めに、『教育学』と平成30年度告示『高等学校学習指導要領』を比較しながら、カントの道徳教育に関する基本的考えを検討する。
次に、『実践理性批判』や平成30年度告示『高等学校学習指導要領解説 公民編』での道徳的教育方法について考察する。
最後に『啓蒙とは何か』での「理性の公的な利用」という概念に注目し、高等学校道徳教育での「主体的・対話的で深い学び」とカントの道徳教育に関する捉え方について検討していきたい。
このように、カントという人物を通して平成30年度告示『高等学校学習指導要領』での「主体的・対話的で深い学び」を検討すれば、現代の道徳教育への新たな視点が得られるかもしれない。【続く】