ネコと倫理学

カント道徳哲学/動物倫理学/教育倫理学/ボランティアの倫理学/ネコと人間の倫理的関わりについて記事を書いています。

動物

【動物倫理学】道徳と、人間と動物のきずな|「苦痛」以外の動物の倫理的考慮の基準

コンパニオン・アニマル―人と動物のきずなを求めて 誠信書房 Amazon ピーター・シンガーによれば、どんな生きものであろうと、平等の原則がその苦しみが他の生きものと同様の苦しみと同等に考慮されなければならない。 【参考:動物の解放】 動物の解放 改訂…

【第2回】ネコの路上死|路上死を防ぐ2つの方法【地域猫活動】

ネコの路上死について、前回は以下のような記事を書いた。 【参考:過去記事】 chine-mori.hatenablog.jp 今回は、後半部分である。 [内容] 【第1回】沖縄県の現状 【第2回】路上死を防ぐ2つの方法 ■路上死を防ぐ2つの方法 ネコの路上死を防ぐために、次の…

【第1回】ネコの路上死|沖縄県の現状【地域猫活動】

先日、通勤中に、ネコの路上死を目撃した。目撃する度に思うのであるが、もしかしたら、落とすべきでない命を救えたはずだ、と心を痛め、自らの無力さを感じる。 仕事から家に帰る途中、走ってくる車を避けながら道を横切るネコを見ると、「死ぬな」と心の中…

【第4回】人間以外の動物への倫理的配慮の基準は「苦痛」だけでは不十分である|まとめ【動物倫理学】

【前回の記事】 chine-mori.hatenablog.jp 4.まとめ 以上、今回はピーター・シンガーとベンサムの「功利主義」を中心に、人間以外の動物への倫理的配慮の基準となる「苦痛」についての主張を整理した。 その後、久保田さゆりの主張を参考にしながら、「苦痛」…

【第3回】人間以外の動物への倫理的配慮の基準は「苦痛」だけでは不十分である|久保田さゆりの議論【動物倫理学】

【前回の記事】 chine-mori.hatenablog.jp 3.動物の「豊かな内面」への理解ー久保田さゆりの議論 久保田さゆりもピーター・シンガーの考え方にも、基本的には賛成である。その理由として、久保田は次の2点を挙げている。 第1に、痛みはその倫理的な重要性の否…

【第2回】人間以外の動物への倫理的配慮の基準は「苦痛」だけでは不十分である|シンガーの議論【動物倫理学】

【前回の記事】 chine-mori.hatenablog.jp 2.「苦痛」という感覚が唯一の判断基準ーピーター・シンガーの議論 シンガーは、その著書『動物の解放』で次のように述べる。 もしある当事者が苦しむならば、その苦しみを考慮に入れることを拒否することは、道徳的に正…

【地域猫活動】TNRに行ってきた(2019年7月6日)

2019年7月6日に、TNR活動に参加。その模様を、写真と共に紹介する。 とある県の、とある島。古い集落が、今も残るのどかな田園地帯。(遺棄する恐れがあるので場所は伏せる) 早く集合場所に着いてしまったので、しばらく周囲を散策。 ヤギを発見。夕方近く、…

【第2回】『基礎づけ』と『実践理性批判』での「義務」の比較検討-道徳法則との関わりから-|「義務」についての概要【カント道徳哲学】

道徳形而上学の基礎づけ [新装版] 作者:イマヌエル カント 以文社 Amazon 2.「義務」についての概要 『基礎づけ』でも『実践理性批判』でも、カントは、「義務」を、人間の意志を規定する強制力として規定する。カントによれば、「義務」という概念は、単に…